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欧米諸国で積極的に導入されるラウンドアバウト

わが国では、平面交差部における出会い頭事故が後を絶たず、抜本的な対策が求められています。欧米諸国では安全、かつ効率的な交差点制御として、ラウンドアバウトが積極的に導入されています。私たち中村研究室は、日本の適所でのラウンドアバウト導入を促進し、平面交差部の性能を向上するための研究に取り組んでいます。

ラウンドアバウトとは?

環道交通流に優先権があり、かつ環道交通流は信号機や一時停止などにより中断されない円形の平面交差部の制御方式のことです。

ラウンドアバウトの幾何構造

ラウンドアバウトの幾何構造

 

日本の平面交差部の現況 - 後を絶たない交通事故

 

交差部で発生する事故のうち、約6 割は信号の無い交差点で発生しています。そのうち6 割弱が出会い頭による事故です。
信号交差点でも、信号無視や信号切り替わり時の無理な交差点進入による出会い頭事故が発生しています。また、交差する方向に横断歩行者や車両がいないにもかかわらず、赤信号で長時間停止を強いられることがよくあります。
右折対直進の事故も多く発生しています。
車両の相対速度が大きいこともあり、このような事故による損失は著しく大きなものになります。
安全性を担保しつつ、効率的な運用を実現する交差点制御方式の導入が求められています

 

交差点での死亡事故発生状況


信号交差点

無信号交差点
交通死亡事故統計(平成27年度/警察庁)より

 

ラウンドアバウトの特徴

車両の速度を抑制することが可能

交差点内をまっすぐに突っ切ることができないため、進入する車両は必ず減速する必要があります。事故発生時の損失を軽減することが可能です。

交差点内の交錯点の削減、車両動線の均一化が可能

無信号交差点の1/5 の交錯点となり、進入時の安全確認は右側のみで済みます。

信号による停止がなくなります

交差点内に車両がいなければ、交差点内にすぐに進入可能で、信号のように待たされることがなくなります。

広い用地は必ずしも必要ありません

日本の交差点は海外に比べて大きいので、既存の交差点スペースで、十分設計可能なケースもあります。

右左折のための専用車線が不要に

進入する車両を一方向に捌くラウンドアバウトなら、全ての進行方向が一つの車線で処理できるので、流入部の道路用地を大幅に縮小することができます。

低コストでの導入・維持管理が可能

信号制御のように電気・通信費がかかりません。

ただし、交通量の少ない交差点での適用に限ります

交通容量は信号交差点に比べ低く、1 流入部あたりの交通量が800 台/時程度までの箇所に限られます。

 


従来のロータリーとの違いは?
「ロータリー」は、「駅前ロータリー」といった使い方もされる様に、制御方式によらない円形の道路施設の総称です。このため、形状が似ていても「ラウンドアバウト」として定義されない、流入車両が優先の「円形交差点」も含むので区別が必要です。

日本のロータリー交差点

日本のロータリー交差点
流入車両が優先で、これにより環道交通流が中断される

ドイツのラウンドアバウト

ドイツのラウンドアバウト
環道交通流が優先で中断されない

 

ラウンドアバウトが適している交差点

住宅地内の交差点

ラウンドアバウトによって、安全で閑静な空間の実現が期待できます。

道路の機能が変化する交差点

市街地、住宅地の入口など土地利用境界部での適用により、道路の機能が変わることをドライバーに明示することができます。

比較的交通量の少ない郊外幹線道路相互の交差点

適度な間隔で設置することにより、速度抑制が可能となります。また、必要以上に赤信号で停止させられることもなくなります。

研究テーマ

ラウンドアバウトと信号交差点の性能比較分析

ラウンドアバウト、信号交差点の性能を、遅れと交錯の量との和によって評価する手法を提案しています。 これにより、信号交差点よりもラウンドアバウトが性能上有利となる交通量条件を示しています。

ラウンドアバウト構成要素の諸元値の決定方法に関する研究

ラウンドアバウト設計アルゴリズムの構築に取り組んでいます。幾何構造条件に応じたラウンドアバウトの車両挙動のモデル化を行っています。

 

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(最終更新日 : 2012/03/13) 

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